2025.04.10
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【医師主導治験】TRIが治験調整事務局として支援する、公立大学法人奈良県立医科大学 がんゲノム・腫瘍内科講座 武田真幸 教授のMET遺伝子エクソン14変異陽性非小細胞肺癌患者に対する医師主導治験が開始しました。

TRIが治験調整事務局として支援する、公立大学法人奈良県立医科大学 がんゲノム・腫瘍内科講座 武田真幸 教授の「テポチニブ、カプマチニブまたはグマロンチニブに獲得耐性を示したMET遺伝子エクソン14変異陽性非小細胞肺癌患者に対するカボザンチニブを用いた非盲検第二相試験」が開始しました。

【研究の概要】
 MET遺伝子エクソン14スキップ変異は、METキナーゼを恒常的に活性化させる変異であり、非小細胞肺癌(NSCLC)の約3~4%に見られます。これらの患者を対象としたMETチロシンキナーゼ阻害剤(MET-TKI)の第2相試験に基づいて、テポチニブとカプマチニブの2剤が『MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌』に対して保険償還されています。MET遺伝子エクソン14スキップ変異陽性のNSCLCに対するMET-TKI獲得耐性について検討した前臨床試験では、獲得耐性変異の一部に対してカボザンチニブが感受性を維持していることが報告されており、これらの結果は、MET-TKIによる2次変異に起因する獲得耐性は、異なるタイプのMET-TKIを使用することで克服できる可能性を示唆しています。今回、1次治療でMET-TKIを実施し、標準化学療法に不応となったMET遺伝子エクソン14スキップ変異陽性非小細胞肺癌に対してのカボザンチニブの治療効果が、ドセタキセル単剤等の3次治療の有効性と遜色ない結果が得られるかを前向き臨床試験として検討する意義は大きいと考えられ、MET陽性肺癌の新たな治療法として期待されています。
奈良県立医科大学が中心となり、全国10施設の医師主導治験を開始しました。当該治験の登録期間は202 4年8月1日から2026年3月31日までで、追跡期間は2026年4月1日2026年9月30日を予定しております。

<研究開発代表者>
 武田 真幸 (公立大学法人奈良県立医科大学 がんゲノム・腫瘍内科講座 教授)
連絡先:takeda-m “AT” naramed-u.ac.jp
(ご連絡の際、お手数ですが “AT” を@に変更ください。)

本治験に関する詳細は以下をご覧ください。

<がん情報サイト「オンコロ」肺がん紹介ページ>
URL:https://oncolo.jp/cancer/lung

<jRCT掲載ホームページ>
URL:https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCT2051240082

<AMED掲載ホームページ>
URL:https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501C_00089.html

TRIは本治験において、治験調整事務局・モニタリング・データマネジメント・EDCシステム構築及び統計解析を担当しております。