2024.05.10
ニュース
【論文】C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変患者に対するG-CSF動員自家末梢血CD34陽性細胞の経肝動脈投与に関する臨床研究について、TRI川本 篤彦、藤田 靖之、五百路 徹也、谷澤 京子を共著者としてRegenerative Therapyに掲載されました。

 
久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 中村 徹、増田 篤高らの論文’Hepatic arterial infusion of autologous CD34+ cells for hepatitis C virus-related decompensated cirrhosis: A multicenter, open-label, exploratory randomized controlled trial’がRegenerative Therapy誌に掲載されました。TRIからは、川本 篤彦、藤田 靖之、五百路 徹也、谷澤 京子が共著者となっています。

本多施設共同臨床研究は、再生医療等安全性確保法に従い、C型非代償性肝硬変患者を対象に、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)動員自家末梢血CD34陽性細胞の経肝動脈投与の有効性と安全性を標準治療と比較することを目的に実施されました。主要評価項目である、登録後24週時点のChild-Pughスコアの非増悪率は、CD34陽性細胞群と標準治療群で有意な群間差は認められませんでした。しかし、CD34陽性細胞群では10人中4人が非代償性肝硬変から代償性肝硬変へ改善を示したのに対し、標準治療群では全例が非代償性肝硬変のままでした。また、本治療による安全性の懸念は認められませんでした。自家末梢血CD34陽性細胞療法は非代償性肝硬変から脱却し、肝移植を回避できる可能性があることが示唆されました。

TRIは臨床研究計画書作成委員会、プロジェクトマネジメント、モニタリング、データセンター及び統計解析、監査を担当するとともに、本研究の研究デザイン策定段階から論文作成に至るまで研究全体を伴走支援し、次相試験につなげるための臨床データの取得に尽力しました。

How to cite this article:
Toru Nakamura, Atsutaka Masuda, Makoto Kako, Hirayuki Enomoto, Masaki Kaibori, Yasuyuki Fujita, Kyoko Tanizawa, Tetsuya Ioji, Yoshihiro Fujimori, Kei Fukami, Takuma Hazama, Hideki Iwamoto, Yasukazu Kako, Kaoru Kobayashi, Hironori Koga, Koji Nagafuji, Takayasu Ohtake, Hiroyuki Suzuki, Tomoyuki Takashima, Toshitaka Tsukiyama, Haruki Uojima, Kenichi Yamahara, Koichiro Yamakado, Hidekazu Yamamoto, Kazunori Yoh, Satoshi Yoshihara, Atsuhiko Kawamoto, Shuhei Nishiguchi, Shuzo Kobayashi, Takuji Torimura, Takumi Kawaguchi.
Hepatic arterial infusion of autologous CD34+ cells for hepatitis C virus-related decompensated cirrhosis: A multicenter, open-label, exploratory randomized controlled trial.
Regenerative Therapy 27 (2024) 455-463
https://doi.org/10.1016/j.reth.2024.04.018