- 2024.03.08
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- 【論文】TRIが支援した、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC: Castration resistant prostate cancer)患者における抗アンドロゲン剤交替療法後のエンザルタミドの臨床効果と安全性に関する前向き観察研究(DELC研究)(主任研究者:大阪大学大学院医学系研究科 教授 野々村祝夫医師)の成果について、論文がJapanese Journal of Clinical Oncology誌に掲載されました。
大阪大学大学院医学系研究科 教授 野々村祝夫医師を中心とする研究グループがまとめた、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC: Castration resistant prostate cancer)患者における抗アンドロゲン剤交替療法後のエンザルタミドの臨床効果と安全性に関する前向き観察研究(DELC研究)の成果にについて、論文がJapanese Journal of Clinical Oncology誌に掲載されました。
DELC研究では、前立腺特異抗原の50%以上減少率は72.2%、全生存期間中央値は42.05カ月でした。多変量解析により、治療前の血清中のPSA(≧11.3ng/mL;P = 0.004)、NSE(P = 0.014)、およびIL-6(≧2.15pg/mL;P = 0.004)の高値が、全生存率の独立した危険因子であることが明らかになりました。臨床的に関連のある最も一般的な有害事象は、疲労 (30.0%)、便秘 (19.6%)、食欲不振 (17.8%) でした。 エンザルタミドの投与量は、70歳未満の患者では減少しませんでしたが、70歳以上の患者ではアドヒアランスが減少しました。
結論として、エンザルタミドの安全性は以前の報告と同等で、NSEとIL-6の血清レベルは、臨床的に有用な去勢抵抗性前立腺癌の予後因子であることが示唆されました。
TRIは本研究において、プロトコル開発支援、データセンター、スタディマネジメント、統計解析を担当しました。
How to cite this article:
Akira Nagahara, Motohide Uemura, Mototaka Sato, Wataru Nakata, Masao Tsujihata, Tetsuya Takao, Soichi Matsumura, Kensaku Nishimura, Shingo Takada, Toshichika Iwanishi,
Yasuyuki Kobayashi, Yu Ishizuya, Tsuyoshi Takada, Koichi Okada, Hitoshi Inoue, Taigo Kato, Koji Hatano, Atsunari Kawashima, Takeshi Ujike, Kazutoshi Fujita, Norio Nonomura
Determination of enzalutamide long-term safety and efficacy for castration-resistant prostate cancer patients after combined anti-androgen blockade followed by alternative anti-androgen therapy: a multicenter prospective DELC study
Jpn J Clin Oncol. 2024 Feb 1, doi: 10.1093/jjco/hyae004
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38305451/