- 2023.01.23
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- 【論文】TRI事業開発グループの西村秀雄、センター長の川本篤彦が共著者となった、非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)に対するタキシフォリンの有効性に関する論文がNutrients誌に掲載されました。
非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) の分子的病因には、代謝性ストレスと炎症性刺激の複雑な相互作用が含まれます。 NASH の治療目標を考える場合に、NASH から肝細胞癌への進行を防止できるかどうかを判断することが重要です。ジヒドロケルセチンとしても知られるタキシフォリンは、食品や健康補助食品として使用されている抗酸化作用と抗炎症作用を有する天然の生物活性フラボノイドです。この研究では、マウスNASHモデルにおいて、タキシフォリン治療が脂肪肝、慢性炎症、及び肝線維症の発症を顕著に防止することを明らかにしました。そのメカニズムには、脂質蓄積を阻害する肝細胞への直接的な作用が含まれます。タキシフォリンは、褐色脂肪細胞への直接作用と、肝臓での線維芽細胞増殖因子21 産生を介した間接作用という、少なくとも 2つの異なる経路を通じて、褐色脂肪組織の活性を高め、体重増加を抑制します。特に、NASH発症後にタキシフォリンを投与することで、肝腫瘍の発症を効果的に防止することができました。まとめると、この研究により、タキシフォリンが NASH の一連の病態に対して多面的な効果を示すという証拠を提供できました。我々のデータは、安全性の高い健康補助食品として広く使用されているタキシフォリンの新しい作用機序に関する洞察も提供するものです。
TRIは本研究において、プロジェクトマネジメント、薬事開発、臨床試験企画、事業化を担当しました。
京都医療センター 浅原哲子先生、名古屋大学 菅波孝祥先生、その他の共同研究者の先生方のご尽力に感謝申し上げます。
How to cite this article:
Takayuki Inoue, Bin Fu, Miwako Nishio, Miyako Tanaka, Hisashi Kato, Masashi Tanaka, Michiko Itoh, Hajime Yamakage, Kozue Ochi, Ayaka Ito, Yukihiro Shiraki, Satoshi Saito, Masafumi Ihara, Hideo Nishimura, Atsuhiko Kawamoto, Shian Inoue, Kumiko Saeki, Atsushi Enomoto, Takayoshi Suganami and Noriko Satoh-Asahara.
Novel Therapeutic Potentials of Taxifolin for Obesity-Induced Hepatic Steatosis,Fibrogenesis, and Tumorigenesis.
Nutrients 2023, 15(2), 350; https://doi.org/10.3390/nu15020350
※NASH:非アルコール性脂肪性肝炎