昭和大学医学部  秋澤忠男先生、昭和大学横浜市北部病院  緒方浩顕先生らにより実施された血液透析患者を対象とした研究(LANDMARK研究)1)の付随研究の結果が、TRIの鍵村達夫を共著者としてClinical and Experimental Nephrology誌に掲載されました。
　透析患者に多く見られる冠動脈石灰化は、心血管疾患の予測因子として知られています。また、リン吸着薬の1つである炭酸ランタンは、動物実験において血管の石灰化の進展を抑制することが示されています。本研究では、2種類のリン吸着薬（炭酸ランタンと炭酸カルシウム）で、治療開始2年後の冠動脈石灰化の状態に違いがあるかを明らかにすることを目的とし、無作為化比較試験を実施しました。登録された239例のうち，123例を解析対象集団として解析が行われ、ベースラインから12ヶ月目または24ヶ月目までの総Agatstonスコアの変化には、炭酸ランタン群と炭酸カルシウム群で差はなかった（12ヶ月目：-139［95%信頼区間（CI）、-367～90］、24ヶ月目：243［95%CI、-352～838］）。また，各枝のCACスコアの変化についても，両群間に有意差はなかった。

1)  Ogata H, et al. JAMA. 2021;325(19):1946-54.

TRIは本研究において、プロトコル開発支援、データセンター、スタディマネジメント、統計解析を担当しました。

How to cite this article:
H Ogata, M Fukagawa, H Hirakata, T Kagimura, T Akizawa, LANDMARK Investigators and Committees.
Effect of lanthanum carbonate and calcium carbonate on the progression of coronary artery calcification among hemodialysis patients with vascular calcification risk: a randomized controlled trial. 
Clin. Exp. Nephrol. 2022 Dec;26(12):1223-1232. doi: 10.1007/s10157-022-02270-5. Epub 2022 Sep 5. PMID: 36064876
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36064876/