2022.12.01
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【論文】神戸市の高齢者を対象とした、要介護状態発生のリスクの予測に関する前向きコホート研究の研究結果が、TRIの小島伸介を筆頭著者、菊池隆を共著者としてHealth Research Policy and Systemsに掲載されました

 
神戸大学大学院 医学研究科 橋渡し科学分野の永井洋士 客員教授、TRIの小島伸介、菊池隆らがまとめた、「神戸市の高齢者を対象とした、要介護状態発生のリスクの予測に関する前向きコホート研究」の研究結果の論文が、TRI 事業開発グループ/医療開発研究グループの小島伸介を筆頭著者、医学統計グループの菊池隆を共著者としてHealth Research Policy and Systemsに掲載されました。
本研究は、神戸市在住の高齢者に対して、要介護状態となるリスク、寝たきりとなるリスク、一人暮らしが困難な認知障害となるリスクとその詳細を前向きに評価することを目的として、神戸市より提供された基本チェックリスト、要介護認定の情報をTRIにて解析するビッグデータ解析研究です。
本研究により、基本チェックリストに郵送で回答をしなかった人は、それだけで要介護認定になるリスクが高い人であることが推定できました。また、認知機能に関する簡単な質問で、要介護認定、特に認知機能低下を伴う要介護認定のリスクも推定できました。これらの観測は、リスクが高いと推定される市民に的を絞った対策を行い、認知症の社会負担を減らす糸口を見いだす可能性を示すものと考えています。

TRIは本研究において、プロトコル開発、統計解析、論文作成を担当しました。

How to cite this article:
Kojima S., Kikuchi T., Kakei Y., Kowa H., Yamamoto Y., Kajita H., Osaki T., Fukushima M., Kayano R., Nagai Y. Implication of using cognitive function-related simple questions to stratify the risk of long-term care need: population-based prospective study in Kobe, Japan. Health Res Policy Sys 20 (Suppl 1), 120 (2022).
https://doi.org/10.1186/s12961-022-00920-4

※基本チェックリスト:介護や支援が必要になる恐れがあるかどうかを早期に発見するために平成20年度より厚生労働省で実施していた調査で用いていた、日常生活の自立度に関する25項目の質問票です。神戸市は広く高齢者に送付し介護予防に用いていました。

※神戸市役所の多大な協力により作成されたデータを元に研究が行われました。

【公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 プレスリリース】
https://www.fbri-kobe.org/about/pressrelease/