2022.08.31
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【論文】ハイリスク消化管間質腫瘍(GIST)に対する 完全切除後の治療に関する観察研究(STAR ReGISTry)が、TRIの鍵村達夫を共著者としてGastric Cancerに掲載されました。

 
再発ハイリスク消化管間質腫瘍(GIST)に対しては術後補助化学療法として 3年間のイマチニブ投与が日常診療で広く実施されている。しかし至適な治療期間が3年間であるのか、実施診療におけるイマチニブの継続期間および完遂割合はどの程度であるのかは十分に解明されていなかった。西田俊朗(国立がん研究センター中央病院)らにより実施された本研究は、2012年12月より3年間の登録期間で541例のハイリスクGIST患者を登録し、その後5年間の観察継続を行い、日本のハイリスクGIST患者に対する3年以上の術後補助療法の有用性を検討した。
その結果、術後イマチニブ療法中の再発率は2.9/100人年(95%CI 2.0-4.1)、イマチニブ療法終了後の再発率は、治療期間や治療を中止した理由に関係なく同様で、12.0/100人年(95%CI 10.2-14.0)と推定された。また、イマチニブ療法3年以内終了群と3年以上延長群の5年再発率はそれぞれ78.7%(95%CI 70.8-84.7)、92.7%(95%CI 85.2-96.4)であり、延長群の3.5年以後の再発率は、3年以内群よりも有意に良好であった(調整後ハザード比[HR]0.56;95%CI 0.39-0.78;P<0.001)。これらのことより、高リスクGISTのアジュバント療法後の再発リスクは術後補助化学療法に関係なく同様であり、高リスクGIST患者のRFS改善には長期の補助療法が必要であることが認められた。

TRIは本研究において、プロトコル開発支援、データセンター、スタディマネジメント、統計解析を担当しました。

How to cite this article:
Nishida T, Sato S, Ozaka M, Nakahara Y, Komatsu Y, Kondo M, Cho H, Hirota S, Kagimura T, Kurokawa Y, Kitagawa Y; STAR ReGISTry Investigators.
Long-term adjuvant therapy for high-risk gastrointestinal stromal tumors in the real world. Gastric Cancer.
2022 Sep;25(5):956-965. doi: 10.1007/s10120-022-01310-z. Epub 2022 Jun 7.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35672526/