2022.03.25
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【論文】前臨床試験:慢性虚血性脳卒中に対する自家CD34陽性細胞の研究について、TRIの川本篤彦、谷歩美、増田智が共著者としてFrontiers in Medicineに掲載されました。

当機構の先端医療研究センター脳循環代謝研究部 田口明彦部長、小川優子研究員らがまとめた、慢性虚血性脳卒中に対する自家CD34陽性細胞の研究に関する論文にTRIセンター長の川本篤彦、医療開発研究グループの谷歩美、増田智が共著者として掲載されました。

この研究は、ヒト末梢血CD34陽性細胞移植の安全性と有効性を評価するための前臨床試験(動物実験)として実施されました。G-CSF動員ヒトCD34陽性細胞(以下、CD34陽性細胞)をマウスの静脈内(iv)または頸動脈内(ia)に移植し、脳卒中の誘発4週間後(慢性期)の神経機能を評価しました。治療2週間後、頸動脈内(ia)CD34陽性細胞移植グループは、PBSコントロールと比較し有意に神経機能の改善を示し、その効果は8週間後まで維持されました。
本結果に基づき、慢性脳卒中患者さんへの自家末梢血CD34陽性細胞の頸動脈内投与の医師主導治験が神戸市立医療センター中央市民病院で実施中です。

TRIは、本研究において、CD34陽性細胞の分離・純化作業、研究計画書・報告書の作成支援を担当しました。

How to cite this article:
Ogawa Y, Okinaka Y, Kikuchi-Taura A, Saino O, Tani-Yokoyama A, Masuda S, Komatsu-Horii M,  Ikemoto Y, Kawamoto A, Fukushima M, Taguchi A
Pre-Clinical Proof of Concept:Intra-Carotid Injection of Autologous CD34-Positive Cells for Chronic Ischemic Stroke
Frontiers in Medicine 11 March 2022 
https://doi.org/10.3389/fmed.2022.681316
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmed.2022.681316/full