2021.10.18
ニュース
【論文】WHO神戸センターの支援を受け、神戸市の協力のもと神戸大学と共同で実施している神戸認知症研究のプロトコル論文が、分担研究の研究責任者である小島伸介(研究相談・広報グループ/医療開発研究グループ)を共著者として出版されました。

神戸モデルとは? 


認知症「神戸モデル」とは、新たに創設する認知症診断助成制度と認知症事故救済制度を組み合わせて実施し、その財源は、超過課税の導入により、市民の皆様から広くご負担いただくこととする全国初の取り組みです。
https://kobe-ninchisho.jp/

この研究は、神戸市が実施した高齢者の生活状況アンケート「基本チェックリスト」と2017年度から始まったプログラム「フレイルチェック」で得られたデータ及び要介護認定に係るデータを活用し、認知症の社会負担を低減させるための地域モデルの構築を目指すものです。

How to cite this article:
 Yoji Nagai, Shinsuke Kojima, Hisatomo Kowa, Yasuji Yamamoto, Hiroyuki Kajita, Tohmi Osaki, Yasumasa Kakei, Kavita U Kothari, Ryoma Kayano.
 Kobe project for the exploration of newer strategies to reduce the social burden of dementia: a study protocol of cohort and intervention studies.
 BMJ Open. 2021 Jun 18;11(6):e050948. doi: 10.1136/bmjopen-2021-050948.
https://bmjopen.bmj.com/content/11/6/e050948.long
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34145022/
   
■関連webサイト

▶WHO神戸センターにおいて神戸認知症研究の中間報告会が開催されました
 2020年9月4日、WHO神戸センターの支援を受け、神戸市の協力のもと神戸大学と共同で実施している神戸認知症研究の中間報告会が神戸市役所で開催され、分担研究の研究責任者である小島伸介(TRI メディカルイノベーションディビジョン 医療開発研究グループ所属)が要介護や認知症に関する日常生活自立度といった予後指標、予後予測因子などの研究の結果について概説しました。
https://www.tri-kobe.org/news/detail/id=441


▶WHO神戸センターと神戸大学、認知症の早期発見・早期介入をめざす 「神戸モデル」構築に向けた共同研究が本格開始
WHO神戸センターと神戸大学は、神戸市の協力のもと、認知症の早期発見・早期介入をめざす「神戸モデル」構築をめざした3年間の共同研究「認知症の社会負担軽減に向けた神戸プロジェクト」を開始しました。神戸市が実施した高齢者の生活状況アンケート「基本チェックリスト」と2017年度から始まったプログラム「フレイルチェック」で得られたデータを活用し、認知症の社会負担を減らすための地域モデルの構築を目指します。
■研究骨子
①約8万人の70歳代の神戸市民を対象とした「基本チェックリスト」調査の解析
②「基本チェックリスト」回答者のうち認知機能低下を原因とした将来の介護リスクが高いと思われる約5000人に対する認知機能と生活の質に関する追加調査の実施と解析
③神戸市が2017年度から開始した「フレイルチェック」参加者のうち同意が得られた方(約5000人を想定)に対する認知機能と生活の質に関する追加調査の実施と解析
④神戸市が実施した「認知症予防教室」受講者のうち約100人に対する追加認知機能訓練の実施とその長期予後に関する評価
■本研究のポイント
 ・高齢者のある時点における認知機能と、将来的な介護リスクの関係性を明らかにする。
・認知機能低下を遅らせる効果的な介入方法に関するエビデンスを探索する。
・認知症の早期発見、早期介入を実現する地域モデルを提示する。
・日本国内のみならず世界に向けて政策オプションを提供する。
https://extranet.who.int/kobe_centre/ja/news/Kobe_model_20170801