2021.06.15
ABC認知症スケールのご利用とお申込み


認知症検査でお困りはないですか?

  • 検査したいが、認知症は専門外だ
  • 患者さんが認知症検査を受けたがらない
  • 検査したいが、スタッフの人数が足りない
  • 検査にあまり時間をかけたくない
  • もの忘れ以外の認知症症状も検査したい
  • 前回からの症状の変化を詳しく検査したい

                        
ひとつでも チェック✓ があれば…
ABC認知症スケールがお悩みを解決します! 

  • 医療者が介護者に患者の様子を質問して評価!
  • 評価にあたり、資格や特別な訓練は不要!
  • 質問数は13問、検査に要する時間は約10分!
  • 経時的な病状や重症度の変化を評価可能!
  • 現行の評価スケールと同等以上の性能!
※ Global CDRと強い相関があり、Global CDRの  推定値を出すことも可能)

 

ABC認知症スケールは認知症を診断するために医療イノベーション推進センターが無償で配布しています。 商業目的(治験などの臨床試験を含む)で使用する場合や、企業から資金を得て臨床試験で使用する場合は、メールでご連絡ください。
 

 



ABC認知症スケールをつかった評価の流れ






 ご利用の前にはYou Tubeをご覧ください。


ABC認知症スケールとは?

ABC認知症スケールは13の質問に答えるだけで3つのドメインを総合評価します。
・ADL(日常生活動作)
・BPSD(行動心理症状)
・Cognitive function(認知機能)


ABC認知症スケールのドメインと質問構成

ABC認知症スケールの質問例とスコア集計表



認知症の重症度を評価される皆様へ

これまでの認知症の評価について

認知症の重症度の評価は、認知機能、行動・心理症状、日常生活動作などを総合的に評価して判断する必要があります。
しかし、これらの症状を評価する神経心理学的検査はそれぞれの分野毎に使い分ける必要があり、これらの評価スケールの利用には専門的な評価者訓練が必要な場合があります。
また、長谷川式スケールを除き、海外で開発されたものであり、日本語版は精密な翻訳を十分に配慮して作成されていなかった可能性があります。
そこで、アルツハイマー型認知症診療時に専門医のみならず、非専門医及び医師以外の医療従事者でも10分程度の短時間で簡便に評価できるスケールとして本邦で新しいスケールを開発しました。
 

このスケールについて

これまでの認知症評価における問題点を踏まえ、我々は下記の要件を満たす新しい認知症評価スケールの本格的な開発を、アルツハイマー型認知症を対象に2015年より開始しました。
  • 簡便かつ短時間で評価できる
  • 専門医や臨床心理士でなくても測定できる
  • 認知機能、行動・心理症状、日常生活動作を同時に評価できる
  • 認知症のスクリーニングのみならず、治験を含む臨床研究で使える
 このスケールは日本の研究者によって開発されたアルツハイマー型認知症の患者の重症度を評価する13項目の質問で構成された純国産のスケールです。医療従事者(評価者)は半構造化インタビュー法を用いて、患者(評価対象者)の介護者(情報提供者)に対し、各項目に関連するエピソードを質問します。
それぞれの項目において、評価者は、患者(評価対象者)の状況・状態について、9段階(1~9点)の リッカートスケールで評価します。
9、7、5、3および1点はアンカーポイントと呼び、それらの得点を定義する文章が記載され、7、5および1点については挿絵が載せられています。
 情報提供者が2つのアンカーポイントの間で判断に迷われた場合は、評価者はインタビューにより確認した後、アンカーポイントの間の得点を選ぶことができます。
 本スケールのインタビューに先立ち、介護者に対し質問紙を渡して十分な時間を与え、これから質問する内容についてあらかじめ理解していただくことも推奨しています。 
 本スケールは各項目のスコアを用い、我々が開発した計算アルゴリズムによりアルツハイマー型認知症の重症度を評価します。
これまで、延べ739例を対象とした臨床研究によって、このスケールについて以下のことが示されました。
なお、このスケールの開発は、教育・心理スケールの開発で用いられる項目反応性理論に基づいて実施しました。
  • 評価者が専門医のみならず、非専門医及び医師以外の医療従事者でも一致性を持って評価できる指標(評価者間信頼性)である。
  • 評価者が同一患者を繰り返し判定しても同じ結果が得られる(評価者内信頼性)。
  • 13個の指標は認知症の構成概念である認知機能、日常動作、行動心理機能の3つのドメインに分解される(構成概念妥当性)。
  • MMSE、NPI-D、DAD、CDR等の他の認知症の診断指標と並存妥当性が確認された。
  • 12週間の認知症患者の変動の観察からMMSE、NPI-D、DAD、CDRと同等の反応性が認められた。
  • スケールの評価に要した時間は10分程度である。
これらの結果により、本スケールがアルツハイマー型認知症の診断・治療に有益な指標となりえる可能性が示されました。なお、結果の詳細は、学会および論文で公表されています。
主任研究者    香川大学医学部 精神神経医学講座 教授 中村 祐
副主任研究者   東京大学大学院医学研究科 加齢医学 教授 秋下 雅弘
統計解析責任者  公財)神戸医療産業都市推進機構
         医療イノベーション推進センター 医学統計グループ 菊池 隆
専門家委員    東京大学大学院医学研究科 加齢医学 助教 亀山 祐美
         香川大学医学部 精神神経医学講座 助教 森 崇洋
         川崎医科大学 認知症学教室 教授 和田 健二
 

ABC認知症スケールのお申込みについて

13項目の質問から構成されるABC認知症スケールは、約1300例を対象とした臨床研究によって、妥当性研究を実施しました。研究開発グループは、項目反応理論を用い、すべての質問において選択肢の表現を調整し、さらに挿絵について検証を重ねました。その結果、ABC認知症スケールは、因子分析によって3つのドメイン に分類され、各質問は認知症の重症度を判別できると結論しました。このため、このスケールを改変した場合は、統計学的な評価結果を再現することができません。したがって、文言の改変及び挿絵の削除等、一切、 改変せずにご使用ください。

 
  
 

 ご利用の前にはYou Tubeをご覧ください。


「ABC認知症スケール」と「ABC Dementia Scale」は、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構が所有する商標です(商標登録第6016826号、商標登録第6016827号)。また、ABC認知症スケールは、著作権で保護されており、ABC認知症スケールの一部または全部の複写・複製および無断改変を禁じます。なお、3次元距離を用いた認知症症状の解析方法については、特許協力条約に基づく国際出願(WO2018/062366)を行いま した。

 臨床研究及び治験においてABC認知症スケールを使用した場合は下記の論文を文献として記載することを お願いいたします。
 
  • Umeda-Kameyama Y, Mori T, Wada-Isoe K, Mori T, et al. The development of a novel convenient Alzheimer’s disease assessment scale, the ABC Dementia Scale, using item response theory. Geriatrics & Gerontology International, (Seq. 2018 accepted for publication)
  • Kikuchi T, Mori T, Wada-Isoe K, Umeda-Kameyama Y, et al.: A Novel Dementia Scale for Alzheimer’s Disease. J Alzheimers Dis Parkinsonism, 8:2 (2018).
  • Mori T, Kikuchi T, Umeda-Kameyama Y, Wada-Isoe K, et al. ABC Dementia Scale: A  Quick Assessment Tool for Determining Alzheimer's Disease Severity. Dement Geriatr Cogn Dis Extra, 8(1):85-97 (2018). 

「ABC認知症スケール」と「ABC Dementia Scale」は、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構が所有する商標です(商標登録第6016826号、商標登録第6016827号)。