【論文】聖路加国際病院 孫 楽先生らがBRIGHTEN研究のサブ研究として実施した、赤血球造血刺激因子製剤投与後の平均赤血球容積の変化と非透析慢性腎臓病患者の腎転帰と関連性の研究がTRI医学統計グループの鍵村達夫を共著者としてClinical and Experimental Nephrology誌に掲載されました。
平均赤血球容積(MCV)は、慢性腎臓病(CKD)および貧血の患者において日常的に測定されているが、特に赤血球造血刺激因子製剤(ESA)療下におけるその予後的意義は、依然として不明である。
本研究では、BRIGHTEN試験の事後解析として、患者をベースラインから16週目までのMCVの変化に基づき、「増加群」または「減少群」に分類し、腎機能の低下(96週間以内に透析の開始、腎移植、eGFRの50%以上の低下、またはeGFRが6 mL/min/1.73 m2以下となった)イベントの発生頻度を比較した。その結果、研究期間中に778名(63.8%)の患者でMCVが低下した。MCVの変化は、ベースライン時のMCV値やESA反応性とは相関しなかった。平均2.46 ± 0.78年の追跡期間中、腎機能の低下は、MCVが減少した群で304名(39.1%)、MCVが増加した群で140名(31.7%)に認められた。年齢、性別、ベースラインのeGFR、アルブミン、高感度CRP、タンパク尿、フェリチン、トランスフェリン飽和度、およびESA反応性を調整した後も、MCVの上昇は腎機能低下のリスク低下と関連していた(調整ハザード比 0.67;95%信頼区間 0.53-0.85;p < 0.001)。
ESA未治療の非透析依存性CKD患者において、ESA治療後のMCVの上昇は、腎機能低下のリスクが有意に低いことに関連していた。MCVの動態をモニタリングすることは、リスク層別化および個別化されたCKD管理のための簡便な補助的ツールとなり得ると考えられた。
TRIはBRIGHTEN研究のプロトコル開発支援、データセンター、スタディマネジメント、統計解析において支援を行なっており、BRIGHTEN研究験に続く本サブ研究では統計解析の支援を行ないました。
著者:Raku Son, Takuya Fujimaru, Tatsuo Kagimura, Tadashi Sofue, Takao Masaki, Masaaki Nakayama, Ichiei Narita
タイトル:Changes in mean corpuscular volume after erythropoiesis-stimulating agent treatment are associated with renal outcomes in non-dialysis-dependent chronic kidney disease.
書誌名:Clinical and Experimental Nephrology, 2026 May;30(5):822-827.
DOI:10.1007/s10157-026-02818-9
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41579301/
Springer Nature link:https://link.springer.com/article/10.1007/s10157-026-02818-9
