【論文】大阪急性期病院 橋本信宏先生らがBRIGHTEN研究のサブ研究として実施した、非透析慢性腎臓病患者における赤血球造血刺激因子に対する低反応性と悪性腫瘍発症の関連性の研究がTRI医学統計グループの鍵村達夫を共著者としてClinical and Experimental Nephrology誌に掲載されました。
赤血球造血刺激因子(ESA)に対する反応低下は悪性腫瘍と関連している可能性があるが、この関連性を検証した研究は限られている。本研究では、非透析依存性慢性腎臓病(NDD-CKD)患者において、初期のESA低反応性および反応性の変化が、未診断悪性腫瘍を反映する臨床マーカーとなり得るかどうかを検討した。
本研究の解析対象となった1641例の患者のうち、44例に新たな悪性腫瘍の発生が認められた。12週時点でのESA反応不良群(ERI-1B > 3.8 μg/g/dL)は、良好なESA反応群と比較して悪性腫瘍発生率が高かった(調整ハザード比[HR]:2.07;95%信頼区間[CI]:1.07-4.00)。さらに、joint latent class model(JLCM)に基づく分析では、12週以降のESA反応性低下速度が速いという特徴を持つ反応不良群は、反応良好群と比較して悪性腫瘍リスクが高かった(調整後HR:2.01;95% CI:1.08-3.72)。これらより、初期のESA低反応性とその後の反応性低下は、いずれもNDD-CKD患者における悪性腫瘍の発症と有意に関連していた。ESA低反応性は、未診断悪性腫瘍のリスク上昇を反映する臨床マーカーとして機能し得ることを示唆していた。
TRIはBRIGHTEN研究のプロトコル開発支援、データセンター、スタディマネジメント、統計解析において支援を行なっており、BRIGHTEN研究験に続く本サブ研究では統計解析の支援を行ないました。
著者:Nobuhiro Hashimoto, Terumasa Hayashi, Tatsuo Kagimura, Ichiei Narita
タイトル:Erythropoiesis-stimulating agent hyporesponsiveness and malignancy development in patients with non-dialysis chronic kidney disease: a prospective cohort study.
書誌名:Clinical and Experimental Nephrology, 2026 Feb;30(2):240-247.
DOI:10.1007/s10157-025-02769-7
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41145752/
Springer Nature link:https://link.springer.com/article/10.1007/s10157-025-02769-7
