(ア) 分子生物学研究
分子生物学研究におけるバイオインフォマティクスの役割の主なものは、ゲノムやタンパク質の網羅的な実験によって産生されたデータのデータベース化である。ミレニアムプロジェクトとして実施されたSNPデータベース(JSNP)の構築や、タンパク3000プロジェクトなど、ほとんどは国家プロジェクトとして多くの予算が投入され、実施されている。データベース化といっても、単にデータを記録することではなく、機能別に整理したり、機能を類推したりといった付加価値をつけることがバイオインフォマティクスに求められている。
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(イ) 製薬産業
バイオインフォマティクスが関連している産業でもっとも大きなものは製薬産業である。製薬産業では、いわゆるゲノム創薬に大きな資金を投入し、新薬開発を効率化しようとしている。新薬開発は、病気の機序の理解・薬のターゲットとなるタンパク質の同定を行い、そのタンパク質と結合する化合物候補の探索および最適化、薬物動態や毒性などの前臨床試験を経て、臨床試験を実施するという流れである。ゲノム創薬とは、特に病気の機序の理解・薬のターゲットとなるタンパク質の同定においてゲノム情報を活用し、医薬品を論理的・効率的に作り出すことである。がんや糖尿病、高血圧症など多くの病気に遺伝子が関連していることが明らかになっており、これらの病気の原因、あるいは未知の関連遺伝子をみつけ、その機能を同定することが、バイオインフォマティクスに期待されている。
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(ウ) 医学研究
病気の機序の理解にあたっては、当然、医学研究における臨床情報が重要である。これまでの症状など表現型による分類に加えて、個人の遺伝的な多様性を知ることで、より正確な診断が行なえるようになるほか、発症のリスクを明らかにし予防医学に役立てることができる。また、薬の効く人、効かない人の見極めや、副作用のリスク回避など、個人に合わせた医療の実現が可能となる。医学研究においては、特に個人の遺伝情報の解析にインフォマティクスが必要となる。また、この解析の成果が、病気の診断、薬の効き目や副作用の判断を行なう遺伝子診断チップとなり、遺伝子診断ビジネスへとつながっている。 |