臨床研究情報センター研究事業  
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アウトカムリサーチ(遺伝子情報を伴う研究も含む)データの探索的解析

  平成14年人口動態統計(厚生労働省)によると、わが国における死因の第一位は悪性新生物(死亡総数の31%)、第二位が心疾患(死亡総数の15.5%)であり、対前年比死亡率はともに約3%増加している。医療従事者にとって、これらの難治性疾患に対する治療成績を向上させることが最優先の課題である。治療成績向上のためには、現時点での標準治療による成績を正確に把握し、生存率をはじめとする患者の予後を規定する因子を正しく同定することが不可欠となる。High-throughput なゲノムワイド遺伝子解析技術に代表される最近の革新的な診断技術および治療法の開発に伴い、予後の予測精度を向上させ、治療選択を個別化することが可能となってきている。 また、薬剤感受性関連遺伝子、病期・病型・病態関連遺伝子の解析は、標的の同定や病理病態の解明の手がかりとして重要である。治療選択の個別化が進むことにより、長期的には医療全体の費用対効果の向上に結びつく。わが国でも学会、国などの主導でこのような疾患に関する診療ガイドラインの策定が試みられているが、その基礎となる情報のほとんどが文献などの二次情報であり、海外の情報も多く含んでいることなどから必要十分な情報が利用されているとは言い難い。
わが国の医療に関する最新情報を得るためには、一次情報である個々の患者の情報を大規模に収集することが必要である。ただし、診療に利用される病院情報システムなどの患者データベースから、信頼性の高い情報を直接得ることは現時点ではほとんど不可能であり、調査目的を明確にし、患者の特性、診断、治療、転帰の正確な情報を最低限含むアウトカムリサーチというタイプの研究デザインに則ってデータ収集・評価することが必要である。
  アウトカムリサーチには、データ収集システム、データの質管理を行うデータマネジメントシステム、データから有用な情報を抽出するための洗練された統計解析が必須である。ゲノムワイドの研究では、統計解析を誤ることで、全く再現性のない結果が容易に得られてしまうことが指摘されており、生物統計の高度な専門性をもった生物統計家の関与が必須である。特に、予後因子解析は疾患実態、自然史の解明に決定的に重要な情報を提供し、臨床試験のエンドポイントの設定、ランダム化の層別因子、試験期間および症例数の設定など、試験デザインに須の情報を提供する。
   
  臨床研究情報センターでは、現在までに数多くのアウトカムリサーチを支援し、生物統計の専門家が予後因子解析を含む探索的解析を行っている(参照:主な業績リスト)。